2023.02.02 Monthly Pitch

「1分で4人に出逢える」企業と求職者の動画マッチング「Reelu」

Reelu 代表取締役 今野珠優(こんの・しゅう)氏

サービス概要:Reeluが開発するのは、「1分で4人に出逢える」企業と求職者のマッチングサービス「Reelu」です。その特徴は2つあり、まずは15秒の短尺動画形式であること。2つ目が140文字の文字制限チャットを用意していることです。Reeluはスマホアプリとしてだけ使用できるので、自前のPCを持たない若年層でも簡単に利用でき、短くテンポの良い対話を実現させています。1次面談の通過率は、一般的な面談に比べて2倍程度の実績となっているそうです。

Monthly Pitch編集部はココに注目:Reel代表の今野さんは、数ヶ月前までFun Groupという観光系スタートアップの取締役COOを務めていました。その今野さんが立ち上げたサービスが人材採用DX「Reelu」です。創業のきっかけは友人の転職活動だったと、今野さんは語ります。職務経歴書に書くことがなく転職活動に苦労していた友人ですが、大手保険会社に勤めてからは、毎月1位を争う営業成績だったそう。

そこで「転職活動でも動画が使えれば、友人はもっとちゃんとアピールできたのでは」と思い至り、Reeluを開発しました。サービスインしてから、興味深いエピソードも生まれています。例えば、SPIで落とされたある新卒採用候補者が、Reeluで動画を投稿したところ採用担当者の目に留まり、その方を復活させたというのです。Reeluは現在、主に新卒採用の教育・人材・小売・IT営業職で利用されており、今後はアパレルや飲食、ホテル業界への拡販を狙います。


Image credit: Reelu

詳細:コロナ禍で対面機会が失われたことが追い風となり、就職や求人のプロセスのデジタルトランスフォーメーションはここ数年で一気に進んだ。就職や求人は、企業側が人材候補者に関心を持ってもらう「前プロセス」と、応募してきた候補者を審査し入社(オンボーディング)してもらうまでの「後プロセス」に大別できるだろう。

前プロセスについては、企業がインタビュー動画を使ったり、いわゆる〝エモい〟コンテンツを駆使したりできるサービスを提供するスタートアップが増えた。一方、後プロセスは、メトリクスドリブン(数値などで条件細分化)のアプローチで、現場や人事担当者の省力化・効率化を支援するサービスが増えたが、人物を見たり、行間を読んだりして候補者を審査・評価するのは難しい。

中途採用者の転職ではスキルセットやバックグラウンドが重視されるが、仕事経験が豊富でない新卒者の場合、それに代わる評価材料を現場や人事担当者らは求めるようになる。こうして生まれたのが、面接官が学生に尋ねる「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」という言葉だが、コロナ禍で物理的に通学する機会を奪われた学生にとっては、ガクチカを表明するのも一苦労だ。

Reelu は、候補者が自分をアピールできて、企業の担当者がより候補者をより知ることができるよう、現在も開発が続けられている。ミレニアルを中心に、モバイルアプリを使ったライブ動画面接による求職活動は欧米でもトレンドとなっていて、VidCruiter、HireVue、Spark Hire、Hireflix といった就職ツール提供各社も軒並み、動画面接対応のモバイルアプリをローンチしている。

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