2022.08.19 Monthly Pitch

シニアのQOL向上を目指す、孫オンデマンドサービス「オトモニ」

サービス概要:シニアと学生スタッフをマッチングし、孫世代がシニアの生活をサポートする「オトモニ」。サポート内容はスマートフォン利用のサポート、病院や買い物などの外出付き添いから、家事手伝いまで、​既存の医療・介護サービスよりも幅広いサービスを提供します。

Monthly Pitch編集部はココに注目:「一人暮らしをきっかけに急速に衰えた」。オトモニ運営のきっかけは、代表の渡會さんの祖母でした。介護保険を適用したサービスは週に1回の家事手伝いのみで、ネットでは他のサービスは見つけられなかったと渡會さんは語ります。シニアの社会的孤立の原因である、少子化や地域コミュニティの衰退を解消したいと意気込むピッチが印象的でした。

オトモニの特徴は、既存サービスよりも広いサービス提供。訪問時の傾聴を通じて、シニアが喜びを感じられるように努めています。あるシニアは、ガラケーからスマホに乗り換えるタイミングでオトモニの利用を開始しました。スタッフは時計やパソコンを選んだり、逃げた犬を探したり、悪徳な高額定期便サービスの解約にも対応したそうです。現在は静岡を中心にサービス展開していますが、今後は大都市にも進出予定。訪問サービス以外にも、リアル接点を生かした商品販売(リフォームや宅配など)も展開していきます。

詳細:オトモニは2020年に静岡で創業。当初は地元の通信事業者と協業し、小売体験配達サービスの実証実験を展開していた。2021年にシニアの QoL 向上を目指す、孫オンデマンドサービスをローンチした。これはシニアの御用聞きや相談相手を、まるで孫にしてもらうかのように学生スタッフが対応できるようにした、世代を超えて両者を繋ぐマッチングサービスだ。

オトモニは、広義ではエイジテックと呼ばれる、高齢者のペインをテクノロジーを使って解決しようとする領域に分類される。特に「ファミリー・オンデマンド」を提供する、オトモニのような事業は、健康状態の確認、CRM 、保険など付随サービスを取り揃えることで、高齢者を対象とした小売ビジネスの窓口に発展させることが可能なため、投資家からの関心も高い。

この領域のスタートアップを見てみると、国内では「もっとメイト」を展開する MIHARU、海外ではアメリカの「Papa」 など、いくつかの同業や競合が存在する。Papa は2021年11月、ソフトバンクがリードしたシリーズ D ラウンドで1億5,000万米ドルを調達、バリュエーションは14億米ドルに達し、晴れてユニコーンクラブ入りを果たした。

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