今月紹介の注目スタートアップ4社の顔ぶれ / Monthly Pitch! スタートアップの扉
最前線の起業家が集う「スタートアップの扉」、Monthly Pitchがお届けする毎月開催されるピッチ登壇企業から特に注目のスタートアップを毎週ご紹介する「注目のスタートアップの顔ぶれ」。
今月お届けする4社は次の通りです。
フリーランス向けリソース配分提案プロジェクトマネジメントツール「Qocolor」
オンラインでもリアルでもトレーニングできる、少人数型パーソナライズジム「FLATTE」
B2Bの営業マーケデータを分析、スター顧客を発掘できる「KEEN Manager」
スタイリング提案やトレンド予測でEC売上アップにも貢献、ファッション特化AI「#CBK」
また、毎月第2水曜日に開催される Monthly Pitch へのピッチ登壇を希望される方は、こちらから
フリーランス向け、複数案件を最適に回せるスケジュールを提案する「Qocolor」
サービス概要:「Qocolor(クォカラー)」はユーザーに合わせて複数案件の最適なスケジュールを提案するプロジェクトマネジメントツールです。Qocolorを使うことで、ワークライフバランスを保ちながらマネジメントできる案件の数を増やせます。
Qocolorの特徴は、単純なテンプレート利用ではなく、アルゴリズムによるユーザーごとのスケジューリング。既存の案件管理ツールがチームでの利用を想定しているのに対し、Qocolorは自らの案件管理をするツールとなっています。
Monthly Pitch編集部はココに注目:近年、世界中でフリーランスが増えています。アメリカではZ世代の46%がフリーランスになっているとも言われ、Qocolorを開発するColor in Lifeのストット玲奈さんも、Z世代でフリーランスを経験した1人です。しかしながら、仕事の経験もなくいきなり案件管理をするのは非常に大変。この課題を解決するためQocolorは生まれました。
Qocolorの使い方は簡単です。月の平均案件数や1日あたりの稼働時間目標などを入力し、新しい案件が入ってきた際に納期や案件の種類、進行中の案件の忙しさ等を入力すれば、ユーザーの稼働時間に合わせて調整された新しい案件の納期スケジュールが出てきます。
「これから人は、自分の時間の使い方に今まで以上に責任を持って生きるようになります。そんな時代において、Qocolorはユーザーを最もよく知るパーソナルAIとして、仕事だけではなく、ライフスタイルすべてにおいて孤独や不安を解消する心強いメンターのような存在になって、自己成長をサポートする存在になっていきたいと」とストット玲奈さんは意気込みます。
オンラインでもリアルでもトレーニングできる、少人数型パーソナライズジム「FLATTE」
サービス概要:ファノーバが運営するのは、OMO型セミパーソナルジム「FLATTE」。1回400円から使える、店舗・オンラインで受け放題のセミパーソナルジムです。FLATTEは1回45分という短時間、1対少人数で、サウンドフィットネスなどのプログラムを提供。スマホ完結によるオペレーションを推進することで、フィットネス体験以外の全てをオンラインで完結できるようにしました。店舗はシャワーレスやマシンレスで、フィットネスそのものに集中。それによりコストの圧倒的な削減を実現しました。2023年2月現在、東京の駒沢大学と豪徳寺で店舗を展開しています。
Monthly Pitch編集部はココに注目:国内のフィットネス人口はたった約3%と言われています。残りの97%の方々が、無理のないペースで、まるでふらっと近所のカフェに行くように、プロと一緒に楽しくフィットネスを習慣にするジムがFLATTEだと代表の舟久保さんは語ります。なお、FLATTEのメイン顧客は20〜40代の女性です。
店舗運営に際しても、スマホによるオペレーションを徹底したり、住宅地への出店を通じて、収益性を高めました。今後はコミュニティ構築やフィットネス物販などにも注力し、4.5兆円という市場でOMO経済圏を構築を目指します。
B2Bの営業マーケデータを分析、スター顧客を発掘できる「KEEN Manager」
サービス概要:KEEN Managerは企業のステークホルダーの共通言語となる数値やデータ分析を支援するノーコードツール。BtoB企業の営業マーケティングデータを分析します。企業内のCRMには格納できないデータや成果が可視化できないといわれているコミュニティマーケティングの領域でサービスを提供開始。今後展開領域を広げる算段です。
KEEN Managerではまず、管理職とマーケティング担当者との間で「分析したいけれど後回しになってしまっているデータ」を特定。その後データクレンジングを行い、ダッシュボードで施策のモニタリングをしていきます。モニタリングで出た課題は、コンサルタントとともに分析を実施。機械学習を用いて施策のリコメンドを行い、アップセルや離反予測などの機能も提供します。
Monthly Pitch編集部はココに注目:セールスインテリジェンス市場はCAGR14%強で成長しており、国内では1.5兆円の市場となりました。それに伴い企業の営業マーケティング部門で使われるデータは指数関数的に増加しています。とはいえ、革新的なBIツールが世界中で登場しているにも関わらず、管理職の約98%はデータ活用が全社的な成果を得るに至っていないと回答し、現場担当者の約60%はデータ活用に関するスキル不足を実感しているそう。企業のデータ活用の道のりはまだまだ遠いのが現状です。
そこで登場するのが「KEEN Manager」。スター顧客を育成し、スター顧客を起点にバイラルな新規ユーザー獲得と他の既存ユーザーの成功の支援を実現します。2021年のクローズドβ版リリース依頼、BtoBのITソフトウェア企業を中心に導入が進み「ターゲット顧客の解像度が上がった」「工数を70%削減できた」「企画業務に時間が使える」といった声が届いているそう。今後は現在のダッシュボード機能に加え、データクレンジングや広告配信、多言語対応、GPT-3を用いたリコメンド機能の向上を図ります。
スタイリング提案やトレンド予測でEC売上アップにも貢献、ファッション特化AI「#CBK」
サービス概要:ファッションに特化したAIサービスを開発しているニューロープ。自社で運営してきたメディアなどを教師データとして、ファッションアイテムの639種類の色、柄、素材、シルエットなど色々な特徴を捉える画像認識AI#CBK(カブキ)を作り上げました。例えば、あるスナップで着用されたアイテムと似たアイテムをEC上から一瞬で見つけ出したり、あるアイテムと合うアイテムを提案する、自動で洋服のSEOをしてくれるといった機能を提供しています。
そんなニューロープが最も注力しているのがトレンド分析。コレクションやSNS、ECなどの画像からトレンドのデータベースを構築し、6カ月先のトレンド分析も行えます。
Monthly Pitch編集部はココに注目:日本で毎年処分されている洋服は13億着と言われています。これは生産されたアイテムのうちの1/3に相当する数字で、これだけの廃棄は、環境的にも企業の財務的にも好ましくありません。この課題をAIをもって解決するのが#CBKです。上で紹介したような事例をはじめ、様々な企業とアライアンスすることでファッションに関する多様な課題の解決を図っています。
また最近はファッションだけでなく、インテリアやコスメのデータの収集も始めているそう。強みの画像認識は言語に左右されにくいということもあって、東南アジアをはじめグローバル展開にも取り掛かっているようです。競合もいるものの「#CBKの強みは4年間のトレンドデータ蓄積と独自のデータソース構築」だと代表の酒井さんは語ります。
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