オペ情報を一括管理、外科系診療チームや手術室の運用を効率化する「OpeOne」
大谷隼一さん
サービス概要:外科系医療者 / 医療機関向け手術症例一括管理ソリューション「OpeOne(オペワン)」を開発するのはクオトミー。
外科手術の現場では、例えば、外来にあるホワイトボードを確認しないと執刀医でもスケジュールがわからない、症例共有が手術直前でないと行われないといった課題が存在。もし手術直前に手術方針が変われば、病院内の手術室や各部署、外部のディーラーと電話で様々な調整も必要になります。このような現場の課題を解決するのがOpeOneです。
OpeOneはまず、ワークフローの川上である、外科医による手術のスケジュールや計画といった情報の伝達を効率化。これにより業務時間外のカンファレンスや症例共有がスムーズにできるようになりました。手術のスケジュール・プラン・所見など手術に関する情報をチームでデジタルに一括管理することで、手術室稼働の向上と関連業務のコストカットも実現。総じて、「外科系診療チーム内のワークフロー効率化」と「手術室運営状況の可視化」を支援するサービスとなっています。
Monthly Pitch編集部はココに注目:クオトミー代表の大谷さんは、1年前までメスを握っていた、臨床経験が15年ある整形外科医です。その経験を活かしOpeOneの開発に取り組んできました。
手術の裏側には、直接的な医療行為以外にも多くの業務が存在しています。例えばチームやカンファレンスでの議論、病院でしか開けないExcelやノートでの手術スケジュール管理、電子カルテの整理、医療機器メーカーやディーラーからの製品説明、電話での手術道具発注といった業務です。これらのほとんどは、多くの医療関係者が関わるにもかかわらずアナログなことも多く、伝達手段もバラバラで非効率という状態。OpeOneは、外科系医療者の非医療業務を一元管理し、外科医個人の症例経験を共有できるようにし、手術の売上予測も可能にすることで、上記の課題を解決に導きます。
OpeOneが業務を効率化することで医師の時間外労働を減らし、病院全体、ひいては日本全体の無駄なコスト削減を狙います。既に世にある診療報酬データを用いた事後的な経営改善ツールに対し、将来予定されている手術の売上予測ができるという点や、単価の高い医師の業務を効率化できる点がOpeOneの強みです。
現役の整形外科医である大谷代表の人脈を活かし、既に有名急性期病院でのトライアル導入や、複数医療機関での今春からの導入が決定しています。今後は手術室の中をDXする製品開発に取り組み、病院現場のさらなるDXに取り組んでいく算段です。