2024.10.09 Monthly Pitch

収穫予測AIで定価・定量取引を可能に、INGENが目指す野菜流通革命/Monthly Pitch! スタートアップの扉

櫻井 杏子 さん

サービス概要:野菜でのゼスプリ(キウイフルーツの販売会社)モデルを実現しようとするのはINGEN

同社が開発する「収穫予測で取引」は、苗を植える予定日から野菜の収穫日を予測し、買い手へ情報共有することで、定価・定量取引を成立させるシステムです。他社の類似システムが±5日程の誤差を出す中、「収穫予測で取引」は今年の小カブ収穫予測を1.7日の誤差に収めました。近年の猛暑にも対応しているのが「収穫予測で取引」の特徴です。マネタイズは定価・定量取引の契約を締結した際の手数料となっています。

またINGENは「今の気候にあった作物への転換推奨」も農家に実施。現在、複数の県に分散物流システムを保有する会社と検証を進め、事業を加速させようとしています。


Monthly Pitch編集部はココに注目:代々が農業指導者であるというINGEN代表の櫻井さんが目指すのは「農業を生産者が儲かる業界にすること」。日本からドールやゼスプリに続く、世界に通用する、定価・定量取引できる青果グループの創出に取り組みます。

ゼスプリといえば、農家から仕入れたキウイフルーツを世界中に販売する会社です。大規模に畑を持って大規模に貯蔵し、小出しに出荷することがゼスプリのビジネスの肝となっています。逆に言えば、貯蔵ができない農作物ではゼスプリモデルは成立しません。そのためある種の野菜では、分散生産、分散輸送をする産地リレーに取り組んでいます。しかし、畑からいつ農作物を収穫できるかを正確に把握することは、現在はビッグデータを使っても難しいそうです。近年の温暖化の問題も、収穫時期の把握を難しくしています。現在、野菜の流通コストは野菜の販売価格の約60%を占めるそうですが、INGENは収穫予測や産地リレーを用いて、このコストを40%以下へしようとしています。

一覧に戻る